「資本剰余金」を原資とする配当の場合には、保有株式の一部を譲渡したものとみなされるため、「みなし譲渡」になり、みなし譲渡損益として、譲渡所得として計算されます。
ただし、該当銘柄の「純資産減少割合」によって、譲渡損益額は変わります。
※「資本剰余金」を原資とする配当であっても、税法上、「資本の払い戻し」に該当しない「みなし配当」部分は配当所得に該当します。
※資本剰余金を原資とする配当については、通常、発行会社から株主宛ての「配当金に関するご案内」等の文書にて、資本剰余金を原資とする配当である旨、みなし配当の額、および純資産の減少割合などが案内されます。また、配当金の受け取り方法で「株式数比例配分方式」をご選択されている場合には、「株式配当金のお知らせ」を、支払開始日に電子交付しております。
計算方法の例は以下の通りです。
【例】
A銘柄を基準日時点で取得単価1,000円で5,000株保有している場合
<条件>
純資産減少割合:0.012
1株あたりの配当:10円
「みなし譲渡」の損益額は、「収入とみなされる金額(1)-取得価額(2)」で計算することができます。
(1)収入とみなされる金額
1株あたりの配当×株数=10円×5,000株=50,000円
(2)取得価額
取得単価×株数×純資産減少割合=1,000円×5,000株×0.012=60,000円
みなし譲渡損益=(1)-(2)=50,000円-60,000円=-10,000円
この場合、10,000円のみなし譲渡損となります。
※配当金(10円×5,000株)の取扱いについて
資本剰余金を原資とする配当のため、税務上の配当所得にはあたりません(配当控除の対象にもなりません。)。
この配当金(10円×5,000株)はみなし譲渡収入(譲渡所得)とみなされますので、みなし譲渡損益を計算し、確定申告が必要となります(特定口座内であれば、特定口座内で計算されます。)。